ふるさと

   数日間の滞在予定で東京へ行ってきた。

自分の用事ではなく、夫のある行事にやや押し掛け気味について行ったのである。

夫の行事は滞りなく終わり、浅草やスカイツリーなどテッパンの観光地を二人でふらふらと巡ってきたのだが、東京という街は、本当に人が多い!

ただ普通に歩くのも大変。

地元では通りのまん真ん中を堂々と歩けるが、東京では端の端を遠慮がちに歩いてもすぐ誰かとぶつかりそうになる。

それでも三日目には、コツを掴んだとまではないが人混みの中を目的地に向けて歩くのも慣れてきた。

と思ったら、もう帰郷予定日である。

飛行機に乗って大人しく帰ることにした。

 

   飛行機は何度乗っても苦手である。

離陸のときに体にかかるGや、着陸のときの妙な浮遊感が不安を誘うのだ。

夜間のフライトだったため、景色も楽しめない。

それでも着陸間近になると、長崎の街の灯りが少しづつ見えてきた。

そのとき…。

 

   窓から見える景色が長崎だ、と確信した途端、不思議な気持ちに襲われた。

愛情というか愛着というか 、なんとも言えない想い。

光量も熱量も東京とは比較にもならないその夜景。

ああ、ここが私の生まれ育った土地なのだ。

うさぎを追った記憶もなければ小鮒を釣った体験もないが、ここが私のふるさとなのだ。

夢を見ていたような数日間が終わり、また日常が始まる。

ここ長崎の土地、私のホームで。

 

   最後にスカイツリーの展望台から撮った写真を載せることにする。

ツリーそのものではなくその影を撮った自分のひねくれ加減に苦笑を添えて。

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